まりふのひと

違った楽しみ方ができるネット辞書

9月7日の中国新聞一面の天風録。

現代語調べるには
 分からない現代語が出てきたら何で調べるか。インターネットと答える人が今は多数派だろう。そのせいで最盛期百万部を超えたこともあった現代用語事典が、部数減でピンチに追い込まれている。
 「知恵蔵」(朝日新聞社)が二〇〇七年度版で休刊、「イミダス」(集英社)も近く発売の〇八年度版で大幅に模様替え。いずれもネット版中心に切り替える。創刊六十年を迎える「現代用語の基礎知識」(自由国民社)だけは、これまで通り続けるという。
 苦戦の主因は無料で使えるネット百科事典「ウィキペディア」の台頭だ。新しい情報が不特定多数の手で自由に書き込まれ、どんどん進化していく。日本語版の項目数も四十万を超え、並みいる現代用語事典の十倍近い。
 試しにウィキペディアを現代用語事典で調べると、知恵蔵は二十行余りで紹介していたが、あとの二事典は数行だけ。逆にウィキペディアでは三つの事典について個別に特色などを詳述。「基礎知識」に関連し「新語・流行語大賞」まで載せていた。
 ただ、ネットの匿名書き込みによる「事典」は別の裏付けがなければ不安も残る。高校生だった四十年前、辞典編さんに加わっていた先生宅を訪ねたのを思い出す。膨大な用例をカードにし、意味を一つずつ確かめる。気の遠くなるような作業に畏敬(いけい)の念を抱いたものだった。
 事典の分厚いページをめくり、つい隣の項目まで読んでしまう。そんな楽しみは時代遅れなのだろうか。‥‥
自分もインターネットの恩恵を受けている一人だ。天風録は「事典の分厚いページをめくり、つい隣の項目まで読んでしまう。そんな楽しみは時代遅れなのだろうか。」で終わっているが、それは「紙の辞書」の楽しみ。
インターネットではより深く知ることができる。英語であれば発音もわかる。Word のテキストの中に「インデント」が出てくるが、「ンデント」か「インント」か ---> http://dictionary.goo.ne.jp/voice/i/01020778.wav
「違った楽しみ方ができる」ということではないだろうか?