突然、二男へのお客さんが来られた。
松の葉が3本のあるのですが、高野山の由緒ある松と同じ松でしょうか?
三鈷の松はインターネットで調べた‥‥ と言われるので、「メールをしてますか」と聞くと「していない」と言う...
- 二男は沖縄に居るのですが、近々取材の旅行に出るので、準備に忙しいようです。
- 樹木鑑定サイトを開いていますが、松の種類は判るかもしれませんが、そこまででしょう。
- 私が出来るのは、松の葉を写真に撮ってメールで送るだけです。
と答え、名前と電話番号を聞いて別れた。
◆由緒ある松とは
- 飛行三鈷杵(ひぎょうのさんこしょう)と三鈷(さんこ)の松(by A.Kawabata)
‥‥ 帰国後、その三鈷杵を探し求めていると、弘仁7年(816年)頃、高野山の松の木にかかっているということが分かりました。そうして、高野山の地が真言密教の道場として開かれるようになり、この松を「三鈷の松」と言うようになりました。
また、通常の松の葉は2本ですが、この松の葉は3本あり、三鈷杵の先(鈷部)が中鈷・脇鈷と三つに分かれていることから、その形とあわせて 「三鈷の松」とも呼ばれています。
どうやら「三鈷の松」のようだが、松の種類は「松の葉は3本」とあるだけで...
◆“松 葉 3本”等でググる‥‥
- 三鈷松に詳しい方に質問です(Yahoo!知恵袋 2008/3/29)
最近地元の【生の松原】と言う場所で偶然葉先が三本の松を見つけてしまいましたが、同じ松なのでしょうか?
‥‥ というわけで本来は三鈷杵がかかった松=三鈷松が正しい定義になると思います。
おそらく、ご近所にあったのは三葉(ミツバ)黒松(通称三鈷松)ではないでしょうか?
黒松の一種で針葉が三本あるものを混成します。幼木にしばしば見られるようです。
- 家の近くの山に三葉松が生えています(Yahoo!知恵袋 2015/5/10)
リギダ松のようですね。三葉松は現在は別に珍しくはないですよ。そもそも、日本には自生をしていなかったと言うだけで今ではあちらこちらに生えています。 リギダマツは普通三葉松と呼ばれるもので、北アメリカ東部原産の常緑針葉高木です。樹高は15〜20mまでに達します。松葉(針葉)は3本あって長さは7〜9㎝ほど、球果は卵形で長さ4.5〜6㎝です。日のあたる湿潤地を好みますが乾燥地でも生育し,東北,北海道でも育ち比較的成長が早く強いため植林が多くされた建築資材です。
- リギダマツ−えっ!松葉って葉は二本じゃないの?(京都教育大学ワンダフルキャンパス)
ところで三葉の松ですが、現在の日本列島には自生していません。数百万年も前に絶滅してしまいました。このリギダマツは北アメリカ大陸からもたらされたものです。
学内には三葉の松は4種類あります.このリギダマツの他,ダイオウショウと環境教育実践センターのスラッシュマツ、附属高等学校のキャンパスにテーダマツがあります。
ところで、三葉のマツの特徴は、松葉が3本であることだけでしょうか?じつはもうひとつ面白い特徴があります。
マツボックリ(球果)を見てください。ひとつひとつの鱗片にとげが突き出ています。3種類のマツの中ではテーダマツが一番とげが目立ちます。ダイオウショウ スラッシュマツ テーダマツ リギダマツ - 三葉松?(みんなのひろば|日本植物生理学会 登録日:2016-06-02)
長野県中部の標高1900mほどの山に生えているマツです。一見すると、風衝地に生える矮性のアカマツです。しかし、ニ葉と三葉の葉が混在します。二葉だけの枝もあれば、ニ葉と三葉が混じる枝もあります。 (三葉だけの枝は見当たりません)
場所から植栽されたものとは考えにくいですし、少なくとも、リキダマツやテーダマツではありません。何らかの要因で、アカマツにこのようなことが発生することがあるのでしょうか?
日本のクロマツとアカマツですが、それぞれ3葉が混じる変種が知られています(上原 1959)。3葉のアカマツはミツバアカマツと呼ばれ、「葉は屡々三葉束生し、アカマツより太い。群馬、栃木両県境にある袈裟丸山で古沢潔夫氏が発見した」と書かれています。3葉のクロマツはミツバマツ(別名三鈷松)と呼ばれ、野生で稀に見つかる以外に名木や盆栽になっているものもあります。三鈷松と称されるものの中には、クロマツでない外国産のものもあります。これもすべてが3葉というわけでなく、2葉も混在します。 - 松葉は何本?(樹樹日記 2006年09月14日)
調べてみると、世界にはいろんなマツがあって、葉も1本から5本までいろいろあるようです。
一葉はアメリカヒトツバマツ、二葉は日本のアカマツやクロマツ、ヨーロッパアカマツ、三葉はダイオウショウ(大王松)、ヒマラヤマツ、四葉はアメリカヨツバマツ、五葉は日本のハイマツやゴヨウマツ、チョウセンマツ。 - 葉のかたちの不思議 針葉樹の芽生えは何を語るのか、そして先祖返りとは
<参考2> いろいろなマツ類の針葉数(例)
アカマツやクロマツは葉が2枚でセットになった二葉松であるが、世の中にはいろいろある。
原則からはずれたものをどのように解釈すればいいのかはわからない。
(一葉松〜五葉松の種類が表で整理されている) - 三鈷の松(世界の半分は植物界 2013年10月14日)‥‥ 2018.01.29 追加
三鈷松として入手した株の実生です。
黒松(Pinus thunbergii)の園芸品種に「三葉松(みつばまつ)」があります。黒松はふつう短枝から伸びる葉は2本束生ですが、この松は葉が3本です。葉は三本一組で、葉の長さは黒松と同じです。
◆ググって知ったこと
追伸(2018.01.30)
次男から回答メールがあった。
鑑定結果
【種名】ダイオウショウ(別名ダイオウマツ)
【分類】マツ科マツ属の常緑高木
【的中確率】60%
【他の候補】テーダマツ、ダイオウショウとストローブマツの雑種など。
【解説】長さ20cm前後の葉が3本ずつ束になるとのことから、北米原産で庭や公園にたまに植えられるダイオウショウの可能性が最も高いと思われます。
よく似た北米原産のテーダマツや、中国原産のシロマツ(別名ハクショウ)も3葉性のマツですが、葉がより短く、日本で植えられることは稀です。
高野山の「三鈷の松」は、私も一度訪れて見ていますが、正式な種名は調べたことありませんでした。
インターネット上の写真や情報を見てみると、恐らくクロマツの変異品であり、葉は10cm前後の長さなので、今回のダイオウショウとは別物と思われます。
(リンクはまりふのひとが張った)