「百円ショップで買ってきたデザイン封筒(予め印刷してある封筒)に印刷したい」という要望があった。
「印刷に要する時間が短い」「印刷に使うインクが少ない」
のは事実であるがそれは出来た後の話。
無地の封筒に印刷するのに比べ、
開発に莫大な時間と費用(テスト印刷)が掛かる。
にもかかわらず、比較的短命であることも覚悟すべきである。
この手順は、WindowsXP上でWord2003で作成しました。なお、ポイントのみとし、詳しい手順は載せていません。
印刷条件
測ることから始まる
- 用紙サイズ ‥‥ 119mm×197mm(角形8号)
- 名前のフォントサイズ ‥‥ 26pt.
印刷済みの“殿”の高さは 8mm。26pt.と推定される。最終的には印刷してみて調整するしかない。
下記は換算値。印刷される大きさはこれより一回り小さい。一回りがどの程度か‥‥ は、フォントを作った人に聞くしかない。- 22pt.=22×25.4÷72…7.8mm
- 24pt.=24×25.4÷72…8.4mm
- 26pt.=26×25.4÷72…9.2mm
- 28pt.=28×25.4÷72…9.9mm
- 上余白 ‥‥ 12mm
- “殿”の下線から表の上の線までの高さ ‥‥ 24mm
- フォントサイズ 26pt.時の段落高さ ‥‥ 12mm (実際に印刷して測る)
- この差が上余白となる。最終的には印刷して調整する。
- その他の余白
- 下余白 ‥‥ 30mm
- 計算上では39mmとなるが、Wordの表の下には空白行が出来るのでこれを考慮する。
- 左余白 ‥‥ 11.5mm
- Wordの線は印刷の線より細いので、縦線の内側までの幅とする。
- 右余白 ‥‥ 10mm
- 実際には11.5mmであるが、次の「列の幅」を設定すれば、自動的に11.5mmになるはず。そこでチョッと小さめにしておく。
- 下余白 ‥‥ 30mm
- 表までの距離 ‥‥ 46mm
- 領収印の行 ‥‥ 8mm
- 月ごとの行 ‥‥ 26mm
- *月分の列幅 ‥‥ 8mm
- 印の列幅 ‥‥ 24mm
ページ設定
- 用紙サイズ
- [サイズを指定]を選択し、幅:119mm, 高さ:197mm とする。
- 余白
- 上記の値とする。
- 文字数と行数の指定
- 「標準の文字数を使う」を指定する。
文書を作る
1)表を作る
名前も金額も位置合わせが必要です。そこで、表を分けることにします。
- 1行×1列の表を挿入する。
- 空の行を1行追加する。(合計2行となる)
- 最後の行にカーソルを移し、
- 5行×6列の表を挿入する。
- 2表とも、左側の線を左余白に合わせる。
- 上の表のプロパティ
- [表]タブ ⇒[オプション]で、「セル内の配置」を全てゼロにする。
- 一旦、[OK]で閉じる。
セル内の配置の値を変えると左余白と左端の罫線がズレるので、再度、合わせる。
- 一旦、[OK]で閉じる。
- [行]タブで、「高さを指定する」,32mm の「固定値]
- [列」タブで、「幅を指定する」,96mm
- [表]タブ ⇒[オプション]で、「セル内の配置」を全てゼロにする。
- 上の表と下の表の間の行
- [書式]⇒[段落]⇒[インデントと行間隔]タブ
- 「間隔」の、行間を[固定値]とし、間隔を“2mm”とする。
- 一旦、[OK]とし、再度開くと、5.65pt.になっている。(たぶん)
5.65×25.4÷72=1.993mm
- [書式]⇒[段落]⇒[インデントと行間隔]タブ
- 下の表のプロパティ
- [表]タブ ⇒[オプション]で、「セル内の配置」を全て 0.5mm にする。
全て 0mm にすると、線とくっついて見難いためで、適当に調節する。- 一旦、[OK]で閉じる。
セル内の配置の値を変えると左余白と左端の罫線がズレるので、再度、合わせる。
- 一旦、[OK]で閉じる。
- [行]タブで「高さを指定する」
- 行1: 8mm, 高さ: 固定値
- 行2〜行5: 26mm, 高さ: 固定値
- [列]タブで「幅を指定する」
- 列1: 8mm, 基準値[ミリメートル(mm)]、以下、同じ。
- 列2: 24m
- 列3: 8mm
- 列4: 24mm
- 列5: 8mm
- 列6: 24mm
- [表]タブ ⇒[オプション]で、「セル内の配置」を全て 0.5mm にする。
-
- きれいな値を指定しても、端数が付くことがあります。目で見て判らない範囲(例えば、0.1mm)であれば無視します。
2)文字の入力
- 上の表
- 一番長い名前(例えば“佐々木小次郎”)を入力する。
- フォント: MSP明朝, フォントサイズ: 26pt.
- [右揃え」とする。
- [書式]⇒[段落]⇒[インデントと行間隔]タブで、「右のインデント幅」を“28mm”にする。
- 表の右端から、“殿”の1mm程度前まで。
- 下の表 ‥‥ 右図の例です。
- [Enter]を押下し、空の段落(行)を作成する。
- “受講料”,[Ctrl]+[Tab],“3,000円”と入力する。(“3,000”は半角文字)
- 入力した文字を選択し、
- [書式]⇒[フォント]⇒[文字幅と間隔]タブの「倍率」を[90%]にして[OK]。
- [書式]⇒[タブとリーダー]で、
タブ位置に“22mm”,「右揃え」を選択し、[OK]。 - [書式]⇒[段落]⇒[体裁]タブの、「日本語と英字の間隔を自動調整する倍率」「日本語と数字の間隔を自動調整する」のチェックを外して[OK]。
- 次の段落に、“維持費”,[Ctrl]+[Tab],“1,500円”を入力する。
- 他のセルには、このセルをコピペする。
セルの選択は、- 選択するセル内の任意の位置をクリックする。
- [罫線]メニュー ⇒[選択]⇒[セル]をクリックする。
差し込み印刷の設定
名前の一覧表(データファイル)は作ってあるものとします。
封筒への印刷
- [新規文書への差し込み]をクリックし、
- 【新規文書への差し込み】ダイアログボックスで、印刷するレコードを指定し[OK]。
- 「レター*」文書が出来るので、プレビューで確認後、印刷する。
- 印刷が終わったら、「レター*」文書は破棄する。(任意)
サンプルデータ
- SampleData.zip ‥‥ 圧縮(zip形式)フォルダ
【デザイン封筒に宛名書きする】フォルダに、次のファイルが入っています。- 1_段落の高さ.doc
- フォントサイズ別に段落の高さを調べたWord文書。
- 2_書式設定.doc
- デザイン後のWord文書。
- 3_差し込み後.doc
- 差し込み印刷の設定を行った文書。
- 4_フォントサイズと段落高さの関係.xls
- フォントサイズと段落高さの回帰式を求めたエクセルブック。
- 5_閣僚名簿_H1611.xls
- 差し込み用のサンプルデータファイル
- 1_段落の高さ.doc