「ペイント」は、Windows に標準添付の絵を描くソフトです。
Windows3.1の時は「ペイントブラシ」という名前でしたが、「おまけ」で付いていたせいか解説書が見当たりません。
平成12年(2000年)から始まった「IT講習」の中でも「ペイント」を使った自治体が多くあったように「使い方も簡単」なのですが、これがなかなかの優れものです。そこで、ペイントの使い方をもっと紹介しようと思います。いつか必ず役に立つことでしょう。
OSのバージョンおよび Microsoft Office がインストールされているか否かで ペイントが扱えるファイルの種類 が変わります。このテキストは、WindowsXP で、Microsoft Office XP Professional がインストールされている環境で作成しました。
▲ 起動時のウィンドウ
ペイントを起動すると、次のような画面になります。
■ キャンバス
絵を描く場所=画用紙に相当する場所です。
画像はキャンバスの大きさで保存されます。画像が小さくても、キャンバスが大きいと、(白色が多い)「大きなファイル」となります。
画像が大きいのに、キャンバスを小さくすると、切り取られます(トリミング)。これは大きな画用紙に絵を描いて、鋏で切ったことになります。
- キャンバスの大きさを変えるには
- メニューバーの[変形]⇒[キャンバスの色とサイズ]をクリック
- リサイズ ハンドル をドラッグする
キャンバスの大きさがウィンドウより大きくなると、スクロール バーが表示されます。
■ ツール ボックス
絵を描く時に「よく使う道具」が入っている場所です。
箱ボタン上部をドラッグすると、他の場所に移動できます。移動したら元に戻してみてください。キャンバスが大きい時、「もうチョッと画面が大きいと全体が見えるのだが...」等と言う場合に使えます。
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- メニューバーの[表示]⇒[ツールボックス]で、表示/非表示を切り替えられます。
- メニューバーの[表示]⇒[ツールボックス]で、表示/非表示を切り替えられます。
■ 選択ボックス
選択したツールの詳細を指定する場所で、ツールボックスの下に表示されます。
例えば、ツールボックスの[消しゴム]を選択すると、消しゴムの大きさを変えることができます。(右図)
■ カラー ボックス
色の指定を行う場所です。ここでは、前景色または背景色を指定します。
カラー ボックスの上部または下部をドラッグすると、ツールボックスと同じように他の場所に移動できます。
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- 左端には、現在の「前景色」と「背景色」が表示されます。(右図)
- 前景色を変えるには、色をクリックします。
- 背景色を変えるには、色を右クリックします。
- 前景色は、線、図形の輪郭線、および文字に使われる色です。
- 背景色は、閉じた図形の内側とテキスト枠の背景に、および消しゴムを使用するとき等に使われます。
- 通常は、次の方法で色を使い分けます。
- マウスの左ボタンを使うと前景色
- マウスの右ボタンを使うと背景色
- カラーボックスは、メニューバーの[表示]⇒[カラーボックス]で、表示/非表示を切り替えられます。
■ リサイズ ハンドル
キャンバスの大きさを変える時に使用します。
リサイズ ハンドルをポイントすると、両矢印付きポインタに変わります。この時、矢印の方向にドラッグすると、キャンバスの大きさを変えることができます。
キャンバスを小さくすると画像が切れます。再び大きくしても、切れた画像は戻りません。
▲ ツールバーの機能
まず、ツールボタンをクリックしてから使います。
- [自由選択]
キャンバスをドラッグして得られる閉曲線内を選択します(見かけ上は、四角形で選択されます)。選択部分を- ドラッグすると「移動」
- [Ctrl]+ドラッグすると「複写」
- (背景色を透明にして)[Shift]+ドラッグすると、軌跡を描きます。
- この時、背景色は選択ボックスで変わります。
- 背景色がそのまま残ります。
- 背景色が透明になります。
- なお、移動で切り取られた部分は、背景色になります。
- [選択]
- キャンバスを斜めにドラッグして得られる四角形内を選択します。
参考)「全て選択」は[Ctrl]+[A]です。 - それ以外の機能は、[自由選択]と同じです。
- キャンバスを斜めにドラッグして得られる四角形内を選択します。
- [消しゴム/カラー消しゴム]
消しゴムの大きさは、選択ボックスで変えることができます。- キャンバスをドラッグすると、背景色で塗りつぶされます。
- 右ボタンでドラッグすると、前景色の部分を背景色に置き換えます。
- [塗りつぶし]
キャンバスを- クリックすると、連続した「クリックした場所と同じ色」を前景色で塗りつぶします。
- 右クリックすると、同じく背景色で塗りつぶします。
- [色の選択]
- キャンバスをクリックすると、クリックした場所の色が前景色になります。
- 同じく右クリックすると、背景色になります。
- キャンバスをクリックまたは右クリックすると、[色の選択]ボタンは無効になり、[色の選択]をクリックする前の設定に戻ります。
したがって、前景色/背景色を連続して設定(クリックして、直ぐ右クリック)することはできません。
- [拡大と縮小]
- まずボタンをクリックし、選択ボックスの倍率(右図)を選択します。この時、キャンバスも拡大されます。
- 元に戻す(1倍)にするには、[拡大と縮小]ボタンをクリックし、選択ボックスの“1x”をクリックします。
- 拡大の中心を指定する時は、
- [拡大と縮小]ボタンをクリックし、
- 拡大したい場所をポイントします。
- 拡大する範囲が表示されます(右図)ので、クリックします。
- 以後、2.-->3.を繰り返します。
- 倍率を変える時は、1.を行ないます。
- 2.は、[Ctrl]+[PageUp]で代用できます。
- [Ctrl]+[PageDown]で、4倍に拡大できます。
- [表示]メニュー ⇒[拡大]⇒[拡大率の指定]でも行うことができます。
- [鉛筆]
- キャンバスをドラッグしている間、前景色で描画します。
- 右ドラッグすると、背景色で描画します。
- [ブラシ]
- キャンバスをドラッグしている間、選択ボックスの形状で、前景色で描画します。
- 右ドラッグすると、背景色で描画します。
- [エアブラシ]
- キャンバスをクリックすると、選択ボックスの形状で、前景色で噴霧(スプレィ)します。
- 右クリックすると、背景色で噴霧します。
- [テキスト]‥‥文字の入力
- [テキスト]ボタンをクリックします。
- 文字を入力するキャンバスの場所を斜めにドラッグします。(右図)
‥‥パレットが表示されます。この時、矩形内は選択ボックスで指定された背景色で塗りつぶされます。 - フォントやフォントサイズ等を指定する時は、書式バーを表示します。
([表示]メニュー==>[書式バー]をクリック、または、パレット内を右クリック==>[書式バー]をクリック) - パレット内に文字を入力します。文字は前景色になります。
- パレット外をクリックすると、文字入力が終了します。
- [直線]
キャンバスをドラッグすると前景色で直線を引きます。線の太さは、選択ボックスで指定します。- 右ドラッグすると背景色で引きます。
- [Shift]+ドラッグすると、水平または垂直または45度の線を引きます。
- [曲線]
ドラッグで前景色、右ドラッグで背景色で線が引かれます。線の太さは、選択ボックスで指定します。
これは、三点セットです。途中で終わりたい時は、最後の位置をクリックします。または、別のツールボックスのボタンを選択します。- まずキャンバスをドラッグして直線を引きます。
- 次に直線の横(左側)をドラッグすると曲線になります。
- 更に、反対側(右側)をドラッグしてS字曲線を描くことが出来ます。
(3点をクリックすると、水滴のような図が描けました)
- [四角形]
- キャンバスを斜めにドラッグすると、前景色で四角形を描きます。
- 右ドラッグすると、前景色と背景色が逆になります。
- 線の太さは、事前に[直線]ツールで行なっておきます。
- 正方形を描く時は、[Shift]+ドラッグします。
- 選択ボックスの2番目を選択すると、四角形の中を背景色で塗りつぶします。
- 選択ボックスの3番目を選択すると、前景色で塗りつぶします。
- キャンバスを斜めにドラッグすると、前景色で四角形を描きます。
- [多角形]
選択ボックスの使い方は、四角形と同じです。マウスの右ボタンを使うと、前景色と背景色が逆になります。- まずキャンバスをドラッグして直線を引きます。
- 次の点をクリックします。
- これを繰り返します。
- 最後の点はダブルクリックします。
すると、自動的に閉じた多角形になります。
- [楕円]
- 使い方は四角形と同じです。
- 円を描く時は、[Shift]+ドラッグします。
- [角丸四角形]
- 使い方は四角形と同じです。
▲ メニューの種類と主な機能
メニュー バーとそのサブメニューは、次のとおりです。
ここにあるショートカット キーのうち、頻繁に使うであろうショートカット キーは、是非、覚えてください。特に、[編集]メニューにあるショートカット キーは、Windows共通のものが多いので、覚え得です。
画像編集ソフトを使用する時は、右手はマウス、左手はショートカット キーと分担を分けると効率的です。
■ [ファイル]メニュー
■ [編集]メニュー
■ [表示]メニュー
■ [変形]・[色]・[ヘルプ]メニュー
■ キャンバスを拡大する
- [表示]メニュー ⇒[拡大]⇒[拡大率の指定]
- 拡大率を8倍まで指定できます。
- 細かい作業をする時に便利です。
■ ドット単位の縦横ます目を表示する
- [表示]メニュー ⇒[拡大]⇒[グリッドを表示]([Ctrl]+[G])
- 4倍以上の拡大を行なうと、[グリッドを表示]が使えるようになります。
- 8倍に拡大してチェックを入れると、1ドットごとの編集が楽になります。
■ 実寸表示
- [表示]メニュー ⇒[拡大]⇒[実寸表示]
- 拡大すると、全体像がつかみ難くなります。そのような場合、[実寸表示]にチェックをいれると、全体像を見ながら編集ができます。
■ 反転または回転させる
- [変形]メニュー ⇒[反転と回転]
予め選択しておくと、その部分のみが対象になります。
- 左右を入れ替える
- 上下を入れ替える
- 90°単位で回転させる
■ 縮小または傾ける
- [変形]メニュー ⇒[伸縮と傾き]
- 右図のように変形させます。
- 予め選択しておくと、その部分のみが対象になります。
- 伸縮はキャンパス全体を選択して、リサイズハンドルをドラッグする方法でも行なえますが、縦/横比を固定できません。ここでは、水平方向の%値と垂直方向の%値を同じ値にすることで行なうことが出来ます。
- ペイントの伸縮は、(たぶん)機械的の行われますので、市販の画像編集ソフトに比べると、画質が劣化します。
■ 色を反転させる
- [変形]メニュー ⇒[色の反転]
- 例えば、白を黒,赤を水色にします。予め選択しておくと、その部分のみが対象になります。
■ キャンバスの大きさを変える
- [変形]メニュー ⇒[キャンバスの色とサイズ]
- 「幅」と「高さ」は半角数字で入力します。
- 現在より小さくすると切り取られ、大きくすると背景色でキャンバスが広がります。
- 単位は、「ピクセル」がベターですが、印刷時の大きさを知りたいのであれば「cm」にするのもいいでしょう。
■ キャンバスをクリアする
- [変形]メニュー ⇒[すべてクリア]
- 正しくは、「キャンバスを背景色で塗りつぶす」です。通常、背景色は白でしょうから、真っ白になります。
■ 色を作る
- [色]メニュー ⇒[色の編集]⇒[色の作成]
- 独自の色を作る(カラーボックスの色を変える)には
- カラーボックスで、別の色に変更する色をクリックします。
- [色]メニューの、[色の編集]をクリックします。
- [色の作成]をクリックします。
- 色の見本をクリックして、[色合い]および[鮮やかさ]の値を変更し、
- 色の明暗のスライダをドラッグして、[明るさ]の値を変更します。
- [色の追加]をクリックします。
- 色は、光の三原色(赤 Red、緑 Green、青 Blue これをRGBと呼びます)のコードを0〜255の範囲で指定して作ることが出来ます(全部組み合わせると、16,777,216 色になります。そのうち、純色は次のようになります。
- 独自の色を作る(カラーボックスの色を変える)には
≪色≫ | 赤コード | 緑コード | 青コード |
黒 | 0 | 0 | 0 |
赤 | 255 | 0 | 0 |
緑 | 0 | 255 | 0 |
青 | 0 | 0 | 255 |
黄 | 255 | 255 | 0 |
紫 | 255 | 0 | 255 |
水 | 0 | 255 | 255 |
白 | 255 | 255 | 255 |