まりふのひと

Paint/ペイントをもっと知ろう

「ペイント」は、Windows に標準添付の絵を描くソフトです。
Windows3.1の時は「ペイントブラシ」という名前でしたが、「おまけ」で付いていたせいか解説書が見当たりません。
平成12年(2000年)から始まった「IT講習」の中でも「ペイント」を使った自治体が多くあったように「使い方も簡単」なのですが、これがなかなかの優れものです。そこで、ペイントの使い方をもっと紹介しようと思います。いつか必ず役に立つことでしょう。

OSのバージョンおよび Microsoft Office がインストールされているか否かで ペイントが扱えるファイルの種類 が変わります。このテキストは、WindowsXP で、Microsoft Office XP Professional がインストールされている環境で作成しました。

起動時のウィンドウ

ペイントを起動すると、次のような画面になります。

 キャンバス

絵を描く場所=画用紙に相当する場所です。
画像はキャンバスの大きさで保存されます。画像が小さくても、キャンバスが大きいと、(白色が多い)「大きなファイル」となります。
画像が大きいのに、キャンバスを小さくすると、切り取られます(トリミング)。これは大きな画用紙に絵を描いて、鋏で切ったことになります。

  • キャンバスの大きさを変えるには
    • メニューバーの[変形]⇒[キャンバスの色とサイズ]をクリック
    • リサイズ ハンドル をドラッグする

キャンバスの大きさがウィンドウより大きくなると、スクロール バーが表示されます。

 ツール ボックス

絵を描く時に「よく使う道具」が入っている場所です。

箱ボタン上部をドラッグすると、他の場所に移動できます。移動したら元に戻してみてください。キャンバスが大きい時、「もうチョッと画面が大きいと全体が見えるのだが...」等と言う場合に使えます。

    • メニューバーの[表示]⇒[ツールボックス]で、表示/非表示を切り替えられます。
 選択ボックス

選択したツールの詳細を指定する場所で、ツールボックスの下に表示されます。
例えば、ツールボックスの[消しゴム]を選択すると、消しゴムの大きさを変えることができます。(右図)

 カラー ボックス

色の指定を行う場所です。ここでは、前景色または背景色を指定します。
カラー ボックスの上部または下部をドラッグすると、ツールボックスと同じように他の場所に移動できます。

    • 左端には、現在の「前景色」と「背景色」が表示されます。(右図)
    • 前景色を変えるには、色をクリックします。
    • 背景色を変えるには、色を右クリックします。
    • 前景色は、線、図形の輪郭線、および文字に使われる色です。
    • 背景色は、閉じた図形の内側とテキスト枠の背景に、および消しゴムを使用するとき等に使われます。
    • 通常は、次の方法で色を使い分けます。
      • マウスの左ボタンを使うと前景色
      • マウスの右ボタンを使うと背景色
    • カラーボックスは、メニューバーの[表示]⇒[カラーボックス]で、表示/非表示を切り替えられます。
 リサイズ ハンドル

キャンバスの大きさを変える時に使用します。
リサイズ ハンドルをポイントすると、両矢印付きポインタに変わります。この時、矢印の方向にドラッグすると、キャンバスの大きさを変えることができます。
キャンバスを小さくすると画像が切れます。再び大きくしても、切れた画像は戻りません。

 ステータス バー

現在の状況、マウスポインタの位置、選択した時の大きさ等が表示されます。

ツールバーの機能

まず、ツールボタンをクリックしてから使います。

  1. [自由選択]
     キャンバスをドラッグして得られる閉曲線内を選択します(見かけ上は、四角形で選択されます)。選択部分を
    • ドラッグすると「移動」
    • [Ctrl]+ドラッグすると「複写」
    • (背景色を透明にして)[Shift]+ドラッグすると、軌跡を描きます。
    • この時、背景色は選択ボックスで変わります。
      •  背景色がそのまま残ります。
      •  背景色が透明になります。
    • なお、移動で切り取られた部分は、背景色になります。
  2. [選択]
    • キャンバスを斜めにドラッグして得られる四角形内を選択します。
      参考)「全て選択」は[Ctrl]+[A]です。
    • それ以外の機能は、[自由選択]と同じです。
  3. [消しゴム/カラー消しゴム]
     消しゴムの大きさは、選択ボックスで変えることができます。
    • キャンバスをドラッグすると、背景色で塗りつぶされます。
    • 右ボタンでドラッグすると、前景色の部分を背景色に置き換えます。
  4. [塗りつぶし]
     キャンバスを
    • クリックすると、連続した「クリックした場所と同じ色」を前景色で塗りつぶします。
    • 右クリックすると、同じく背景色で塗りつぶします。
  5. [色の選択]
    • キャンバスをクリックすると、クリックした場所の色が前景色になります。
    • 同じく右クリックすると、背景色になります。
    • キャンバスをクリックまたは右クリックすると、[色の選択]ボタンは無効になり、[色の選択]をクリックする前の設定に戻ります。
      したがって、前景色/背景色を連続して設定(クリックして、直ぐ右クリック)することはできません。
  6. [拡大と縮小]
    1. まずボタンをクリックし、選択ボックスの倍率(右図)を選択します。この時、キャンバスも拡大されます。
    2. 元に戻す(1倍)にするには、[拡大と縮小]ボタンをクリックし、選択ボックスの“1x”をクリックします。
    3. 拡大の中心を指定する時は、
      • [拡大と縮小]ボタンをクリックし、
      • 拡大したい場所をポイントします。
      • 拡大する範囲が表示されます(右図)ので、クリックします。
    4. 以後、2.-->3.を繰り返します。
      • 倍率を変える時は、1.を行ないます。
      • 2.は、[Ctrl]+[PageUp]で代用できます。
      • [Ctrl]+[PageDown]で、4倍に拡大できます。
      • [表示]メニュー ⇒[拡大]⇒[拡大率の指定]でも行うことができます。
  7. [鉛筆]
    • キャンバスをドラッグしている間、前景色で描画します。
    • 右ドラッグすると、背景色で描画します。
  8. [ブラシ]
    • キャンバスをドラッグしている間、選択ボックスの形状で、前景色で描画します。
    • 右ドラッグすると、背景色で描画します。
  9. [エアブラシ]
    • キャンバスをクリックすると、選択ボックスの形状で、前景色で噴霧(スプレィ)します。
    • 右クリックすると、背景色で噴霧します。
  10. [テキスト]‥‥文字の入力
    1. [テキスト]ボタンをクリックします。
    2. 文字を入力するキャンバスの場所を斜めにドラッグします。(右図)
      ‥‥パレットが表示されます。この時、矩形内は選択ボックスで指定された背景色で塗りつぶされます。
    3. フォントやフォントサイズ等を指定する時は、書式バーを表示します。
      ([表示]メニュー==>[書式バー]をクリック、または、パレット内を右クリック==>[書式バー]をクリック)
    4. パレット内に文字を入力します。文字は前景色になります。
    5. パレット外をクリックすると、文字入力が終了します。
  11. [直線]
     キャンバスをドラッグすると前景色で直線を引きます。線の太さは、選択ボックスで指定します。
    • 右ドラッグすると背景色で引きます。
    • [Shift]+ドラッグすると、水平または垂直または45度の線を引きます。
  12. [曲線]
     ドラッグで前景色、右ドラッグで背景色で線が引かれます。線の太さは、選択ボックスで指定します。
    これは、三点セットです。途中で終わりたい時は、最後の位置をクリックします。または、別のツールボックスのボタンを選択します。
    1. まずキャンバスをドラッグして直線を引きます。
    2. 次に直線の横(左側)をドラッグすると曲線になります。
    3. 更に、反対側(右側)をドラッグしてS字曲線を描くことが出来ます。
      (3点をクリックすると、水滴のような図が描けました)
  13. [四角形]
    • キャンバスを斜めにドラッグすると、前景色で四角形を描きます。
      • 右ドラッグすると、前景色と背景色が逆になります。
      • 線の太さは、事前に[直線]ツールで行なっておきます。
      • 正方形を描く時は、[Shift]+ドラッグします。
      • 選択ボックスの2番目を選択すると、四角形の中を背景色で塗りつぶします。
      • 選択ボックスの3番目を選択すると、前景色で塗りつぶします。
  14. [多角形]
     選択ボックスの使い方は、四角形と同じです。マウスの右ボタンを使うと、前景色と背景色が逆になります。
    1. まずキャンバスをドラッグして直線を引きます。
    2. 次の点をクリックします。
    3. これを繰り返します。
    4. 最後の点はダブルクリックします。
       すると、自動的に閉じた多角形になります。
  15. [楕円]
    • 使い方は四角形と同じです。
    • 円を描く時は、[Shift]+ドラッグします。
  16. [角丸四角形]
    • 使い方は四角形と同じです。

メニューの種類と主な機能

メニュー バーとそのサブメニューは、次のとおりです。
ここにあるショートカット キーのうち、頻繁に使うであろうショートカット キーは、是非、覚えてください。特に、[編集]メニューにあるショートカット キーは、Windows共通のものが多いので、覚え得です。
画像編集ソフトを使用する時は、右手はマウス、左手はショートカット キーと分担を分けると効率的です。

 [ファイル]メニュー

 

 [編集]メニュー

 

 [表示]メニュー

 

 [変形]・[色]・[ヘルプ]メニュー

   

 キャンバスを拡大する
  • [表示]メニュー ⇒[拡大]⇒[拡大率の指定]
    • 拡大率を8倍まで指定できます。
    • 細かい作業をする時に便利です。
 ドット単位の縦横ます目を表示する
  • [表示]メニュー ⇒[拡大]⇒[グリッドを表示]([Ctrl]+[G])
    • 4倍以上の拡大を行なうと、[グリッドを表示]が使えるようになります。
    • 8倍に拡大してチェックを入れると、1ドットごとの編集が楽になります。
 実寸表示
  • [表示]メニュー ⇒[拡大]⇒[実寸表示]
    • 拡大すると、全体像がつかみ難くなります。そのような場合、[実寸表示]にチェックをいれると、全体像を見ながら編集ができます。

 反転または回転させる
  • [変形]メニュー ⇒[反転と回転]
     予め選択しておくと、その部分のみが対象になります。
    • 左右を入れ替える
    • 上下を入れ替える
    • 90°単位で回転させる
 縮小または傾ける
  • [変形]メニュー ⇒[伸縮と傾き]
    • 右図のように変形させます。
    • 予め選択しておくと、その部分のみが対象になります。
    • 伸縮はキャンパス全体を選択して、リサイズハンドルをドラッグする方法でも行なえますが、縦/横比を固定できません。ここでは、水平方向の%値と垂直方向の%値を同じ値にすることで行なうことが出来ます。
    • ペイントの伸縮は、(たぶん)機械的の行われますので、市販の画像編集ソフトに比べると、画質が劣化します。
 色を反転させる
  • [変形]メニュー ⇒[色の反転]
    • 例えば、白を黒,赤を水色にします。予め選択しておくと、その部分のみが対象になります。
 キャンバスの大きさを変える
  • [変形]メニュー ⇒[キャンバスの色とサイズ]
    • 「幅」と「高さ」は半角数字で入力します。
    • 現在より小さくすると切り取られ、大きくすると背景色でキャンバスが広がります。
    • 単位は、「ピクセル」がベターですが、印刷時の大きさを知りたいのであれば「cm」にするのもいいでしょう。
 キャンバスをクリアする
  • [変形]メニュー ⇒[すべてクリア]
    • 正しくは、「キャンバスを背景色で塗りつぶす」です。通常、背景色は白でしょうから、真っ白になります。
 色を作る
  • [色]メニュー ⇒[色の編集]⇒[色の作成]
    • 独自の色を作る(カラーボックスの色を変える)には
      1. カラーボックスで、別の色に変更する色をクリックします。
      2. [色]メニューの、[色の編集]をクリックします。
      3. [色の作成]をクリックします。
      4. 色の見本をクリックして、[色合い]および[鮮やかさ]の値を変更し、
      5. 色の明暗のスライダをドラッグして、[明るさ]の値を変更します。
      6. [色の追加]をクリックします。
    • 色は、光の三原色(赤 Red、緑 Green、青 Blue これをRGBと呼びます)のコードを0〜255の範囲で指定して作ることが出来ます(全部組み合わせると、16,777,216 色になります。そのうち、純色は次のようになります。

≪色≫ 赤コード 緑コード 青コード
0 0 0
255 0 0
0 255 0
0 0 255
255 255 0
255 0 255
0 255 255
255 255 255