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畠と畑

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 畑(畠、はたけ)とは、稲以外の穀物、または野菜、豆、芋、果樹などを栽培するために区画された農地をいう。畑は水を張らない耕作地ともいえ、水の無い田と言うことで陸田と呼ぶこともある。畑に作物を作ることを畑作という。中世の日本においては、焼畑*1 を「畑」、それ以外を「畠」と表記して区別されていたが、今日では両者の区別をせずに「畑」と表記することがほとんどである。

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 『岩波日本史辞典』の「畠・畑」という項目の冒頭に、「水田以外の乾燥耕地をさす。〈畠〉は水田に対する白田という意味の国字で,8世紀初頭に現れる。〈畑〉は焼き畑を意味する国字で,平安末期に現れる。律令には畠に関する規定がなかったため,公的には陸田の語が使用されたが9世紀には消滅し,以後畠が一般的に使われた。」とある。
 他の日本史辞典も同様のものが多く、ニュアンスの差があれこそすれ、現在では区別されない「畠・畑」という国字が、ある時期まで「白田」と「焼き畑」の意で厳密に使い分けられていた旨、書いてある。
 使い分けられていたという事実自体、「畠」が「はたけ」、「畑」が「はた」と読み分けられていた時期があるという事実からしても問題ないが、「畠」が「白田」の意で、「畑」が「焼き畑」の意で作られた国字ということに、疑問を呈している辞典がないことが問題なのである。
 「畑」は、確かに「焼き畑」の意の国字であるが、「焼き畑」の意の熟語である「火田」から直接「畑」が出来たのではなく、「白田」が「畠」になったように、「火田」が上下に圧縮されて一字となった後、この字の動用字として「畑」は出来たのであるが、漢和辞典・日本史辞典ともにこのことを書いているものはない。

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本当は、国字に関する定義からやったほうがいいのかもしれないが、堅苦しいので、皆さんご存知の「畑」の字と関連で「畠」の字を取り上げることにした。
 国字に関しては、中国などにない字を日本で作ったというレベルの知識でかまわない。
 「畑」は、常用漢字にあり、小学4年生で習うので、皆さんよくご存知ですね。「畠」については、去年の人名用漢字の改定で、新しく人名用漢字になったので、だんだん親しみがもてるようになると思います。
 実は、「畠」の方が古い字で、「はたけ」と読み、水がない乾いた「田」の意で、今、普通に言う「はたけ」のことでした。
 「畑」は、焼畑のことを「火田」といったのを、「火」を上に「田」を下にして作られました。この国字を「火」を左に「田」を右に置いたのが、今の「畑」という字なのです。この字は、「はた」と読み、焼畑のことを表しました。
 その後、二つの字が混同して使われるようになり、「畑」が優勢になり、現在にいたりました。


*1:森林を伐採した後、火をつけて耕作地を作り、そこで栽培する農法を焼畑農法という。畑を焼くことで、除草と施肥(但し窒素分は期待できない)の効果を期待する。焼畑は人類最初の農業形態であったと考えられている。